イタリアに恋する方法 ◎イタリアの友人語録◎

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各国、食の事情

Non mangio la carne tanto.

草食主義。というわけではないが、野菜や果物・豆・キノコなどが好きだ。
並んで、エビやスモークサーモンなどの甲殻類・魚類・魚加工品類。

イタリアの友人宅におじゃまになる時、よく聞かれる。
「嫌いな食べ物はある?」

基本、げてもの以外は何でも食べるけど、お肉は得意ではない(←高級店で出すおいし~いお肉は別)。まあイタリア語の場合は簡単に、
「お肉はあまり食べない」と言っていた。
いや、言ってたつもりだった。

「Non mangio cane tanto.」
『cane』つまり犬、「犬をあまり食べない」と言っていた。
いや、言い続けていた。


『お肉』は『carne』。
私的に『カーネ』と『カールネ』は、よく似ている。
私に文法の冠詞を省略する癖がなければ、もっと早くに気づいたかも知れない。
caneは男性名詞なので『il cane』、carneは女性名詞で『la carne』。
だいぶ異なってくる。


いつから間違え続けていたのか定かではないが、
確かに「あの時も?!」と思い当たる節はある。

2005年秋、インプルネータにあるピエロの家で、やっぱり同じ話をしていた時、彼は一瞬硬直して「ふぅん」と言った。
いやもっと以前からだったかも知れない。「へぇ~」という顔をされたことがなかったでもない。
しかしそれは、お肉が主流のフィレンツェ(この地方の魚は鮮度が落ち超マズイ)で、それが嫌いだと言っているからだと思っていた。

犬・・・。どうして誰も指摘しないッ?!


なぜ、ある日突然このことに気づいたのか。
それは、ヴェトナム旅行の準備中、バンビがロンリープラネット(旅行ガイドブック)にチェックを入れているのを見た時だった。

メモを書き込んでいる彼に質問。
「何を書いてるの?」

「ここはGOOD、おいしそうでしょ?これはダメ、気をつけなくちゃ」
それぞれの項目に、ニコちゃんマークや悲しい顔マーク等をつけている。

「ん?これはどうして(どくろマーク)?」
「だって…!『犬』が美味しいって書いてるよ。僕食べたくないもん」
「ぎゃッ!それは気をつけないと。。」
「日本でも食べる?」
「!!!食べないヨッ。中国じゃない?犬食べるの」

と言って、ふと気になったのだった。
「あれ?私今まで『cane』って言ってなかった?」。


私が、「犬はあまり食べない」とふれまわっていた頃、
このような式が成り立っていたのではないだろうか。

日本では犬を食べる = でもフユミはあまり犬を食べない

私が単語を言い間違えてたせいで、少なくとも数人のイタリア人には、日本の食文化を誤解させたままでいる。