兄妹の絆
Fratelli.
サルボの妹、クラウディアはとてもお喋り。
いつでもどこでも、キアッキェレ!キアッキェレ!(お喋りお喋り)。
私が理解してようが、してなかろうが、甲高い声で、とにかくマシンガンのように喋りまくる。
というか、誰もいない所でも、一人で喋っている。
たまに怖い。
彼女の発音には、シチリア訛りを感じられない。
確かに、特有の言葉を使っているが、兄のようにこもって流れるような音は発しない。
表現するなら、『乾麺のうどんを束にして折った』ようにパキパキしている。
「同じ家で育って、こんなに喋り言葉が違うなんて…」
クラウディアはサルボの言葉が理解できるのか、いささか心配したりもした。
ある日、台所にいたサルボが言った。
「でぅえおておにお」
・・・? 確かにこう言った。
しかし、クラウディアは即答した。
「そっちの棚の右!」
答えから想像してようやく解った。彼は、
「ドーヴェイルミオテレフォニーノ?」
(Dove il mio telefonino? 僕の携帯どこ?)
と言ったのだ。
すごいぞッ! 兄妹!!